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   今昔の浅草界隈 2013.6




  最近の浅草
 安い和服が人気  2016.2.11  レンタル和服と人力車によるガイドツアー 2016.2.11  再開発中の六区ブロードウェイ 2016.2.11


 いにしえの浅草
 大宝元年(701)大宝律令で武蔵国豊島郡が誕生と七道官道を設ける、「新編武蔵風土記稿」では東山道の豊島駅が浅草花川戸付近に置かれたとある。 承知2年(835)伊勢物語に住田川、治承5年(1182)の吾妻鏡に「武蔵国浅草大工字郷司」の名が、長禄(1457)の絵図に浅草村が記される。この地は鎌倉、室町時代は海岸に面し千束池、隅田川に囲まれた浅草外島(としま)に鳥越神社(651年)、浅草観音(645年)、石浜城などがあったが人家もまばらで寂しい所であった。徳川家康により浅草寺周辺の千束池や姫ヶ池など埋立てられ入谷浅草辺の地を作り寺院や民家が増え人々が集まり始める。  
 
3〜7世紀の隅田川沿岸 6世紀頃の鳥越古墳、摺鉢山古墳が作られる 645観音堂建立 745〜49武蔵国豊島郡建置、 平安時代 長元の図(1028〜1037年) 豊島郡 隅田河口は洲が多く十島(豊島)の源、浅草寺と今戸が切離れている 1000〜1300年頃 江戸長崎間道中繪圖 1070源義家が浅草寺を参拝 1180源頼朝が参拝
平安・鎌倉1000〜1300年頃  江戸より奥州津輕迄道筋之圖 古鐘に永徳4年(1387)日本国武州豊島郡千束郷金龍山浅草寺の刻みある。浅草観音は川や池、湿地に囲まれている 室町時代 長禄(1457年)大田道灌築城の頃 浅草は千束池、姫ヶ池と隅田川(入間、利根川)に囲まれ千束郷の一孤村として浅草がある 寛永1624〜1644 浅草寺の賑わい 三重塔
江戸初期1630年頃の屏風絵 浅草寺と三重塔、 寛永20年頃(1644) 沼地に聖天町より箕輪まで13丁日本堤を築造(1621) 千束池、湿地が浅草寺の近くに及ぶ  浅草寺と五重塔 延宝3年(1675) 浅草寺と三重塔 千束池が埋立てられ新吉原(1658)ができる あさくさ川(角田川)
宝暦1756〜1829年 隅田川と浅草寺 画:鳥文斉栄之 文政2年(1820)浅草寺、五重塔 大川橋(1774)が架かり筑波山が臨める 安政5年(1859) 浅草寺周辺に田地が多くある
明治45年 浅草観音堂 明治42年 仁王門(宝蔵門) 明治43年 浅草公園第六区 明治36年初の映画専門電氣館開館


浅草公園の変遷  
 1884年(明治17年)に太政官布告により浅草寺境内を一区から七区までに区画され、浅草田圃の一部を掘って池を造り、池の西側と東側を築地して街区を造成。これが第六区となり、浅草寺裏手の通称奥山地区から見せ物小屋等が移転し歓楽街を形成した。
明治9(1876) 浅草寺境内が明治6年に浅草公園となる  明治17(1884) 大池(瓢箪池)を掘り出し、一区から六区に区割 昭和5(1930) 周辺道路が整備され、東武浅草駅が6年に開通
昭和22(1947)戦災で本堂、五重塔、宝蔵門を焼失、仮本堂を再建 昭和35(1960) 本堂33年再建、瓢箪池が34年に埋立てられ新世界ビル、楽天地館が新設 平成24(2013) 現在の浅草公園(2005)つくばエクスプレス開業、六区の映画館が再開発中



 
こんにちの浅草
 戦前(昭和10〜15年)の浅草は世界最高の人口密度で5万人/km2を越えたが現在は1.8万人/km2に減った。明治8年(1875)に浅草蔵前に徳川幕府の紅葉山文庫本や昌平坂学問所本、医学館本、私設文庫など収めた官立図書館「浅草文庫」が開設された。浅草には多くの文学者が生まれ育ち、また名作の舞台として数多く登場してくる。樋口一葉、芥川龍之介、谷崎潤一郎、泉鏡花、川端康成、正岡子規、森鴎外、夏目漱石、佐多稲子、幸田露伴、北原白秋、川口松太郎、尾崎一雄、円地文子、石川淳、久保田万太郎、三浦哲郎、池波正太郎など、とくに永井荷風は大正から昭和の浅草周辺や下町を仔細な描写で数多く残している。

 芥川龍之介「大川の水」1912年  
  
・・・自分は、大川端(おおかわばた)に近い町に生まれた。もし自分に「東京」のにおいを問う人があるならば、自分は大川の水のにおいと答えるのになんの躊躇(ちゅうちょ)もしないであろう。ひとりにおいのみではない。大川の水の色、大川の水のひびきは、我が愛する「東京」の色であり、声でなければならない。自分は大川あるがゆえに「東京」を愛し、「東京」あるがゆえに生活を愛するのである。・・・

浅草は隅田川と縁深く、人情、ふれあい、演芸、職人、江戸への郷愁など下町ならではの雰囲気をかもし出す、そして、何といっても長い伝統に育まれた食文化は安くて旨い町を生み出してきた。


2016年平成28年 開催日 行事 開催場所 浅草界隈の主な老舗 創業
2月3日 節分会 浅草寺 寿司屋 弁天山美家古寿司 慶応2年
2月28日日曜日 東京マラソン 雷門前周辺 寿司清 明治24年
3月18日 浅草観音示現会・金龍の舞 浅草寺 天ぷら屋 雷門三定 天保8年
4月8日 花まつり 浅草寺境内 大黒家 明治20年
4月第2日曜日 白鷺の舞 浅草寺境内 金泉 明治40年
4月18日 第3土曜日 浅草流鏑馬 墨田公園 どじょう屋 駒形どぜう 享和元年
4月19日日曜日 早慶レガッタ 隅田川 飯田屋 明治の創業
5月5日 宝の舞 浅草寺境内 伊せ喜 明治20年
5月13日、14日、15日 三社祭 浅草神社 蕎麦屋 尾張屋 明治3年
5月28、29 6月25、26 最終土・日 植木市(お富士さん) 浅間神社周辺 満留賀 明治28年
7月6日、7日8日 朝顔市 入谷鬼子母神周辺 並木藪蕎麦 大正2年
7月9日、10日 四万六千日・ほおずき市 浅草寺境内 うなぎ 前川 文政期
7月25日土曜日 隅田川花火大会 隅田川 やっこ 寛政年間
8月27日土曜日 浅草サンバカ−ニバル 馬道通り、雷門通り ふぐ 三角 明治35年 
10月18日 金龍の舞・菊供養 浅草寺境内 魚昇 明治37年
11月3日祝日 東京時代まつり 馬道通り、雷門通り すき焼き ちんや 閉店 明治13年
11月11日23日 一の酉、二の酉 鷲神社 米久 明治19年
12月17日、18日、19日 羽子板市 浅草寺境内 今半 明治28年
甘味処 長命寺桜もち 享保2年
梅園 安政元年
言問だんご 江戸末期
酒屋 神谷バー 明治13年
 
                                                                 
 浅草は、浅草寺の門前町として江戸時代から栄え、猿若芝居小屋や吉原遊郭など江戸からの賑わいを示し、徳川時代は江戸で最も栄え、初詣、七福神めぐり、隅田川畔の花見、花火、三社祭、ほおずき市、酉の市など今も受け継がれている。歌舞伎をはじめ種々の演芸、見世物、飲食の屋台、楊弓、土産物屋が建ち並び、空き地では大道芸人達が人気を集めていた。
        
浅草寺本堂正面の額「施無畏(せむい)」、観世音菩薩が生きとし生けるもののおそれをなくし安心の境地に救済、人から不安や恐怖を取り除き恐れのない状態を導くと言われる 浅草寺天井画、川端龍子作「天人之図」「龍之図」
浅草寺(観音様) 耐震チタン瓦に改装 2012.10
大化元年(645)勝海上人が建立 1953年再建
宝蔵門(仁王門) 2002.5
慶安2年(1649)徳川家光が建立、1964年再建
宝蔵門 阿形・吽形像  2003.5
1964年再建
二天門改装  2012.10 元和4年(1618)創建 
1649年頃再建
雷門 天慶5年(942)平公雅が創建 1960年再建 2012.10 風雷神門(雷門) 雷神(左)、風神(右) 2014.10
       五重塔 1973再建 2003.10
ライトアップ江戸開府400年記念 日没から午後23時まで2011東日本地震で九輪塔の宝珠1個が落下し曲がる、安政地震でも九輪が曲がった
伝法院 2008.11
伝小堀遠州作の庭園 
浅草(三社)神社 慶安2年(1649)築 2014.3 
三社神輿の本拠
仲見世の賑わいが復活 2013.2
将軍家が御成時の馬つなぎ場が仲見世になる
     夕暮れの仲見世 2014.4 五重塔とスカイツリー 2013.2
待乳山聖天(本龍院) 浅草寺の子院 2013.2
十一面観音菩薩 池波正太郎生誕地近傍
朝焼けの隅田川と言問橋 2007.11 落語の浅草演芸ホール、漫才の東洋館 寄席 2013.2 浅草木馬館 大衆劇場 2013.2 
神谷バー 2003.3 
明治13年創業 大正10年建物
 電氣ブランが名物
松屋デパートのリニーアル 2013.2
屋上からのスカイツリーが絶景
花やしき 嘉永6年(1874)日本最初の遊園地 2013.2 浅草六区映画館通り 再開発中 2013.2
昭和30年代には19の映画館がすべて無くなる
隅田川とスカイツリー(634m) 2012.10 吾妻橋と水上バス乗場 2013.2
観光客が急増している
隅田川右岸の桜(台東区) 2009.4 隅田川左岸の桜(墨田区) 2009.4
お酉様 2012.11
浅草千束 鷲神社(浅草七福神)
東京時代祭(北条政子) 2005.11
 平安時代から現代までの浅草に縁深い歴史を再現
東京時代祭 2006.11(ペリー艦隊)  1988年から開催
羽子板市 2013.12
「邪気を跳ね返す板」として女の子の成長を願う風習
流鏑馬 2009.4
江戸時代に浅草神社の正月行事として行われていた
 奥山まつり(江戸を再現) 2008.11 
江戸時代から大道芸や見せ物小屋が並ぶ盛り場
ほうずき市(四万六千日) 2005.7
薬草で子どものかんの虫や女性の癪に効くと言われる
三社祭り(一宮) 2007.5
鎌倉時代から神話に基づき船祭が始められた
第32回浅草サンバカーニバル 2013.8 第11回一葉桜まつり(おいらん道中) 2013.4  9代目市川団十郎(成田屋)像  1986復元 浅草神社境内に大道芸が甦る  2014.3
歩行者専用橋新設 2020.6 隅田川のさくら 2023.3 第92回早慶レガッタ(復活) 2023.4